Vカットの目的・割り方とは

Vカットの目的・割り方とはVカットとは、基板にV字の溝を入れることで、1枚の基板を複数枚に分割することを目的に行われる加工のことを指します。一般的に、プリント基板は面付けという方法で製造されることが多いのですが、Vカットは面付けでの製造に必要な加工方法となります。

プリント基板製造における面付けとは、1枚のプリント基板に対して、複数のプリント基板を配置して製造し、電子部品の実装後に分割するという製造方法です。例えば、A・B・Cという3種類の異なるプリント基板を製造したい場合、それぞれ個別に製造するよりも、1枚の基板にAからCの3つの基板を配置して製造した方がコストを抑えることが可能です。Vカットは、面付けで製造されたプリント基板を分割することを目的として溝を入れる加工となります。Vカット加工では、専用のカッターで基板にV字の溝を入れ、加工後に手動で折り曲げることで基板を分割します。溝の深さに関しては、基板の厚みによって変化しますが、一般的に加工後に0.3~0.4mm残るような深さに設定するのが一般的です。なお、溝の角度は40度程度であることが多いようです。

また、基板の割り方として、Vカットとともに頻繁に使用されるのがミシン目(スリット)加工です。ミシン目加工では、ドリルやルーターを使用して基板に穴やスリットを入れて、加工後に折り曲げることで基板を分割します。基板の材質や厚みによって適宜変わりますが、穴の直径は1~2mm程度、スリットの幅に関しても1~2mm程度で、スリットの長さは30~50mm程度が一般的です。Vカットと比べて低コストであることがメリットですが、電子部品の設置や配線の制限が大きいというデメリットがある割り方です。なお、基板の分割時にバリや突起が残るため、これらを削る加工が必要となる可能性があります。そのため、ミシン目加工を行う場合は、穴やスリットの入れ方に注意を払わなければいけません。

Vカット加工は、ミシン目に比べて部品設置や配線の制限が少ないというメリットがありますが、基板の端から端まで一直線に溝を入れる必要があるため、基板の配置には注意が必要です。また、溝の近くにパターンを引いてしまうと、バリが残ったりパターン剥がれなどの問題が生じる可能性があるため、Vカット溝を考慮しながらパターン設計を行う必要があります。

さらに、Vカット加工は、ミシン目加工におけるスリットと併用されることも珍しくありません。例えば、Vカット溝だけでは基板を割るのが難しい場合は、溝の上にスリットを入れることで分割が容易になります。また、溝付近に電子部品を配置した場合は、分割時に部品が外れたり割れたりする恐れがあります。そのため、電子部品付近の近くに溝を入れる必要がある場合、溝の上からスリットを入れることで、分割時に部品へ加わる力が軽減されるため、折り曲げる際の問題を回避することが可能です。