プリント基板を多層化する意味とは?

プリント基板を多層化する意味とは?プリント基板は、主に絶縁体となる板と銅箔で形成された回路パターンで構成されていますが、その構造によって片面・両面・多層に分類されます。昔は、配線パターンが絶縁板の片面、および両面に施された片面基板や両面基板が主流でしたが、近年は多層基板への需要が高まっています。多層基板とは、絶縁板の内部にも回路パターンが形成されているもので、絶縁層と回路パターン層が何層にも重ねられた構造をしたプリント基板です。また、多層基板にはメッキ処理された穴が開いており、各パターン層はこの穴によって接続されています。

基板の多層化が一般的になっている最も大きな要因としては、電子機器の高性能化です。高性能な電子機器を実現するには、非常に多くの電子部品を使用する必要があるとともに、複雑な回路パターンを形成する必要があります。単に、複雑な回路パターンを形成するのであれば、サイズの大きな片面や両面の基板を採用すれば、比較的安価に高精度な電子機器を実現可能です。しかし、近年の電子機器には性能の高さだけではなく、小型化が求められるものが多いです。そのため、使用できる基板サイズには制限があることがほとんどで、より小型な基板を製作する必要性は日増しに高まっています。

また、電子機器の小型化は、単にユーザーの満足度を高めるだけでなく、製造や流通、保管といったコストの削減にもつながります。多層化した基板は立体的に配線できることに加えて、設計の自由度も高いため、よりコンパクトに複雑な回路パターンを形成可能です。つまり、プリント基板の多層化は、非常に複雑な回路パターンをよりコンパクトに実現するために行われており、近年の電子機器には必要不可欠になっています。

また、電源とグランド(GND)の配線が容易になることも基板を多層化するメリットです。電源とグランドの配線は可能な限り太く短く配線する必要があるため、片面基板や両面基板では、これらの配線が困難になるケースも珍しくありません。一般的に、多層基板にはプレーン層と呼ばれる電源とグランド専用の層が存在しており、これによって配線のインピーダンスが軽減できるとともに、電源ノイズの軽減にもつながるため、より安定した回路を実現可能となります。ちなみに、一般的な4層基板の場合は、外層に回路パターンが形成されており、内層にプレーン層が設置してあることが多いのですが、回路パターンを隠したい場合や電磁放射ノイズを軽減したい場合などは、回路パターンを内層に形成して、外層にプレーン層を設置するケースもあるようです。